ペストワールド2012:ボストン大会から①

 全米ペストマネジメント協会(NPMA)今年の年次大会は、マサチューセッツ州ボストンのシェラトン・ホテルにスカイウオークで隣接する、ジョン・ハイネス・ベテランズ・メモリアル・コンベンションセンターで開かれた。
_tmp ボストンの市街地は徒歩で巡るのにちょうど良いほどの広さだ。洗練された活気ある街区のすぐ隣に住宅地。しっとりと落ち着いた雰囲気のなかに立ち並ぶ、レンガ造りの家並みが続く。それを引き立てる街路樹は、そのほとんどがブナ科の樹木なのだが、シイやカシがランダムに植えられている中に、サクラや国花のハナミズキが混植され、木々のそれぞれが紅葉の度を競い合う今の時期が最も美しいという。
 ボストンはチャールズ・リバーを挟んで、北側のケンブリッジと共に学園都市としても知られる。ハーバード、ケンブリッジ、MITなどなど名にし負う名門校のキャンパスが広がり、街には若者が多い。日本からの留学生もたくさん居るというバークレー音大もある。

 さて、今年の大会は、開会式などのセレモニーの類が、昨年までとまったく異なり、簡素化されたものとなった。1995年にNPMAの専務理事に就任以降、この組織の経営を黒字に転換させたと喧伝されるロブ・レダラーさん(鵬図PMPニュースVol.260 2002年参照)の突然の辞職に大きく影響されたと考えられる。協会の動きは早く、10月16日付のHP上で後任にはボブ・ローゼンバーグさんを当てると公表。勘ぐれば、いよいよ3週間後に迫った大統領選挙人選挙の行方を見据えた動きだったのかもしれない。
 ローゼンバーグさんは政官界と良い関係を保ちながら、とくにEPA(環境保護庁)に強い人脈を持つといわれる。基本的に共和党寄りのNPMAは今度こそ政権奪回と踏んだのだろう。
 アメリカでも中小のPCO業にとって決して良い環境ではないはずだが、参加者は3100名を数えた。不況のときこそ、なお一層の研鑽と社会的認知向上が望まれる業界なのかもしれない。そのような意味を込めた今大会のテーマは“Experience”「経験を共有しよう」である。

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