はじめに

 トヨタのハイブリッド車レクサスの広告が、昨年秋にイギリスで一時使えなかった。環境を考えればレクサスーのコピーが、環境にほとんど害を与えないなどの誤解を生むと、英広告基準監督庁が判断したため(09年]月14日・朝日新聞夕刊)という。もともと車を走らせること自体、環境に良いはずがないのだから当然の措置だったろう。
 生態系(エコシステム)に悪い影響を与えないよう、環境負荷化学物質管理が先進各国で進められつつある。また3R (Reduce、Reuse、Hecycle)の推進なども、個人の暮らしから企業活動に至るまで、広く採用されるようになった。このような地球環境を守るための様々な活動を、広大な森林を形作る樹木になぞらえて「グリーン」と総称する。
 一方、このグリーンとウオッシュをつなげた「グリーンウオッシュ」という言葉がある。ウオッシュには洗うという意味のほか、ホワイトウオッシュ(漆喰)に派生する、上塗りとかめっき(鍍金)などの意味がある。つまりグリ一ンウオッシュとは、環境対策のうわべを飾ることやごまかすことをいう。残念ながら世の中にはさまざまなグリーンウオッシュ商品やサービス、公共事業などがはびこっているという指摘も多い。
 我々PC口産業にグリーンウオッシュの懸念などあってはならない。早くからグリーン施工に取り組んできたアメリカPMP協会(NPMA)は、クオリティ・プロ・グリーン資格制度を立ち上げ、資格認定講習会を全米各地で開催している。対するわが業界には昨年1月の健康局長通知「建築物における維持管理基準マニュアル」がある。マニュアルに準拠するIPMの実践こそが、グリーン施工の最初の一歩になるものと期待したい。(龍)

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