ゴキブリにべイト剤を食べさせていますか?~皆様のベイト剤施工技術を見直してみませんか~

ピントアソシエーツ社長 ローレンス J ピント

この数年、ゴキブリのベイトアバージョン(ベイト剤の摂食阻害)がよく話題に上ります。
ジェルベイトを設置してゴキブリを防除する施工技術者(皆ではないのでしょうか?)において、ゴキブリ防除の成功率の低下が見られています。
ゴキブリは、ベイト剤を摂食しなくなっています。今日はそのことについてお話ししましょう。

 この2~3年、この現象に対して、少数ではありますが詳しい研究や観察がなされました。その結果、研究者は、ベイトアバージョンはジェル内の殺虫成分に対する抵抗性の結果ではないと結論づけました。薬剤抵抗性は、ゴキブリが長期間同じ殺虫成分に繰り返しさらされることによって起こります。生き残ったゴキブリがもつ薬剤抵抗性という特質は、次の子孫に受け継がれます。産まれてきたゴキブリは、その成分を含む全ての殺虫剤に感受性をほとんど持ちません。

 ベイトアバージョンを示すゴキブリが、ジェルベイト剤を食べたら、そのゴキブリは死にます。そのことからも、ベイトアバージョンが、薬剤抵抗性によって起こるとは考えにくいです。
 問題はジェルベイト剤の中の殺虫成分でなく、その餌成分や処方自身です。ベイト剤を食べることにほとんどもしくは全く興味を示さないゴキブリは、ベイト剤の喫食成分に全く気が乗らない様子を示します。さらに、そのベイト剤を避けるという行動は、彼らの子孫にも受け継がれているようでもあります。
 
同様な状況は、何年も前に最初のMaxforceベイトステーションで観察されました。ゴキブリはベイト剤内のグルコース(砂糖)に対する忌避を示し始めました。そこで、メーカーはグルコースを使用しない処方に変えました。

 ゴキブリがベイトアバージョンを示す問題は、ベイト剤特に同じベイト剤を何年も使用し続けている現場で、知られるようになってきました。特にジェルベイト剤による施工が初めて紹介された時期から、ジェルベイト剤を信頼して使用している、最先端のPMP達が最も問題をかかえています。

ゴキブリの駆除に関するご相談はこちら

ベイトアバージョンにどのように対応するか?

(1)まず施工方法全体をチェックする

 防除の失敗全てを、無意識にべイトアバージョンのせいにしてはいけません。
 実際には、防除の失敗例の内10例中9例は、ベイトアバージョンというよりベイト施工方法自身に原因があります。施工技術者が、事前の生息調査に充分に時間をかけず、設置するに相応しくない場所にべイト剤を設置していることもあります。また、施工回数が少なすぎるため、次のサービス訪問までにべイト剤が古くなってしまっている場合もあります。ベイト剤が充分に(古いベイト剤を取り除き新しいベイト剤に)置き換えられていないことが原因になっている場合もあります。ゴキブリは古いベイト剤を好みません。そんなベイト剤施工の失敗原因は、枚挙にいとまがありません。

(2)現場で実験をおこなう

 あなたが持っているゴキブリの多い(難防除の)現場でゴキブリの生息場所を探して下さい。理想を言えば物音のしない夜が良いですが、その生息場所の周りに新しいジェルベイト剤を設置して下さい。ゴキブリは数分内にべイト剤を見つけ、食べ始めるはずです。
 もしゴキブリが生息場所から出てこなかったり、ベイト剤に寄って行きすぐに離れてしまうようであれば、ベイトアバージョンと判断できます。

(3)ベイト剤をローテーションする

 もしあなたが、そのベイト施工に最善を尽くしたのに、ゴキブリ防除に成功しなかった時は、他のジェルベイト剤を使用してみて下さい。ジェルベイト剤メーカーは、ベイトアバージョンを示すゴキブリに対抗するために、処方改良を続けています。
 これら新処方ベイト剤は良く効くのですが、その効果は緩徐かも知れませんから、じっくり使ってみて下さい。

(4)ジェルベイト剤だけに頼らない

 施工技術者は、ジェルベイト剤がよく効くために、ジェルベイト剤に頼りすぎていたのかも知れません。これは昔からおこなわれてきた技術を振り返る良い機会かも知れません。ジェルベイト剤に加えて、ケースに入ったベイト剤や掃除機での吸い取り、粉剤、そして従来施工でおこなわれ高い効果を示してきたクラック アンド クレビス処理などを併用することも考えて下さい。

(5)サニテーションの向上(環境的防除の実施)

 施工現場の清掃・清潔はベイト剤施工において、より重要と言っても過言ではありません。なぜなら、清掃の行き届いていない現場に、残飯や油脂などのほか、ゴキブリの餌となるものがあれば、ベイト剤はそれらと競合することになり、本来の効果を失うことにもなるからです。

ゴキブリの駆除に関するご相談はこちら

  • クリンタウン
  • 虫ナイ

PMPニュース289号(2007年7月)に戻る