はじめに

 パブコメはやりの昨今だが、昨年は我々の業界に深く係る案件のコメント募集が相次いだ。建築物における維持管理マニュアル案、殺虫剤指針改定、同・効力試験法解説の改定、一般用医薬品及び医薬部外品としての殺虫剤使用時のリスク評価ガイドライン案などがそれだ。なかでも今後のPCO業を方向付けることになるのが、8月13日に意見募集を終え、今年1月25日に健康局長通知された「建築物における維持管理マニュアル」だろう。
 改正建築物衛生法は、数次にわたる建築物衛生管理検討会を経て、平成14年4月1日改正、翌15年同日付で施行された。電子政府に公開された議事録で知るように、検討会の内容はIPM(総合的有害生物管理)施工をより強く求めるものだった。ねずみ・昆虫等の防除に使用する薬剤は医薬品と医薬部外品とする(第2回)が、その適用対象以外でもこれらを衛生害虫と呼べるか(第4回)などについての議論も交わされたようだ。
 しかしながら改正法にはIPM防除についての具体的な目標水準が示されていない。そこで日本ペストコントロール協会は研究図書検討委員会を立ち上げ、「建築物におけるIPM仕様書:ネズミ・害虫等の調査と防除基準」を作成頒布した。この仕様書による基準がPCOに重用されてきたが、今次のマニュアル制度化がこれに取って代わることになる。
 さて肝心のパブコメだが、このマニュアル案には60数名から延べ約70件のコメントが寄せられた。原案にある目標水準のうち“快適水準”はおかしかろうど“許容水準”とされたほかには大きな変更がなかった。マニュアルに示された許容水準と、顧客が容認できる水準の問には、自ずとギャップも生じるだろう。PCO側に残された課題は大きい。(龍)

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